そうだよ。
そもそも鬼ってこええもんだよ。
(「死に方」筒井康隆原作・相原コージ画)
この話みたく理不尽でもあるよ。
豆でエイエイってやって退散するのなんてのは三下とか雑魚でしょ。
人の村なんか瞬時に滅ぼっしゃう。
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最近じゃ細マッチョだったり壁ドンしたりするし。豆避けるし掴むし。
「オニ こぇぇぇぇ!」と言ったのはうちの息子(高1)。
続けて
「『あなや』じゃねえよ!」と怒っている。
あの話だ。「むかし、男ありけり」でお馴染みのやつ。
いい女なんで長いこと口説いてたけど埒あかねえんで攫ってきちゃったけど、雨ざーざー降ってきたんで、
小屋に女入れて自分は見張ってたら、女が鬼に喰われちゃったってやつ。
古文の時間に習ったな。
その喰われたとこ。
鬼はや一口に喰ひてけり
ひいい。喰ひてけりだよ、
はや一口だよ、
やっぱオニ KOEEEEEE!!
ほんでもって直後の女の悲鳴というか、
女の口から漏れた声というかが、
「あなや」
「あなや」じゃねえよ!
あ~れ~、お助け~
なんて「はや一口」の間に出る時間がないだろうけど、
うぎゃっとかじゃないのかよ。
なんだか余裕あんな、「あなや」
食べられちゃったとはつゆ知らず。
気づくと連れてきた女がいない。
足ずりをして泣けどもかひなし。
まあそりゃそうだろうね。
そんでどうしたの?
白玉か何ぞと人の問ひしとき
露と答へて消えなましものを
なに歌歌ってんだよ。お気楽かよ。貴様は磨呂か、貴族か!
って、平安貴族だけど。
で、
続きがあんのな。さっき知ったわ。
実は攫われちゃった女のお兄ちゃん達が連れ戻したんだそうで。
で、連れ戻されちゃったもんだから、かっこ悪いからかしらないけど、
鬼に喰われたことにしたっつう。
(これは、二条の后の、従兄の女御の御もとに、仕うまつるやうにて、ゐ給へけるを・・・)
なるほど。
いや、
いやいや、その解説つけたら急につまんなくなっちゃった。
この部分、後付けって見方もあるんだそうで。
無かったら、シュールで尻切れトンボだけど妙に印象に残るなあと思っていたけど、当時の人もそんな感じだったのではないか。
なんじゃこれ、わけわかんねって。
で、知ったかのしたり顔の別の磨呂的なヤツが、
いやいや、実はですねって言いながら書き足したっていう。
余計なことしやがって。