2011年4月15日

蛙の子は蛙

蛙の子は蛙という諺がある。

どういう意味だろう。
、なんて考えるまでもなく、
しゃらくせえ人の子供はまたしゃらくさく、
いけすかねえ奴の子供は大抵いけすかねえな、

っていう先人の経験を踏まえた言い方だ。

カエルは生まれた時からカエルということを言っているのではない。
オタマジャクシを経てカエルになる。

「君、オタマジャクシは?」と聞かれて、
「あれはいいよ~~」と言って照れるような表情を浮かべるのは吉田戦車の漫画に出てくるカエルだけだ。

先日、かみさんが、近所の廃屋の庭にあった池のおたまじゃくしを、
家を取り壊して池も失くなってしまうというので攫ってきた。
採っていると人だかりができ、
「是非うちにもわけてください」となって何軒かに分けたのだそうだ。
かみさん、
おたまじゃくしなんて、そんなに欲しいのかよって思いつつも、

「キッ、これは私のオタマよ!!」
っていやいやするわけもなく、所望する方々に配ったのだそうだ。

その一人に結構なお歳のおばあさんがいて、
「あらまあ、これ、この黒い可愛らしいのはナニ?」的なことを言う。
「オタマジャクシです。飼っているとカエルになりますよ」

するとどうだろう。

このお婆さんは驚愕の表情を浮かべて、
「カエルに?  んまあ!」と口に手をあてがった後、
猜疑の目でこちらを向き、
「またまたあ」的なことを言ったそうだ。

忘れているのか惚けているのか、はたまた最初から知らないのか、黒い、巨大な精子みたいなニョロニョロが、ピョコピョコ飛び回る例の可愛い奴に変身するのがどうにも信じられないという表情なのだ。

しばらくして道で出会すと、

「どうもう。こんにちは。この間もらったメダカ? 大きくなりましたよう」

すでにオタマジャクシという名称もどこかに行っている。


このお婆さんの続報を待ちたい。

2 件のコメント:

  1. 幼い頃はバケツが真っ黒になって窒息してるんじゃない?というくらい熱心に取りましたね。家に持って帰って親に叱られてまた戻す、みたいな。近所でウシガエルのオタマが多く生息するホットスポットがあって、友人がアマガエルのオタマをどんなに捕獲しても、僕のウシガエルのオタマを数匹見せるだけでヒーローになりました。
    ちなみに干上がった池においても、カエルのタマゴには水分が多いのでウニョウニョとオタマが孵ります。あの光景はグロくて始めて見る人はショックだと思います。共食いするしね。

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  2. おばあさん、ある日突然カエルを見て、腰を抜かしてしまうかもしれませんね。
    それか、カエルがどこからかやって来て、私のメダカを食べちゃった、なんてこと言い出すのでしょうか?
    いずれにせよ、このおばあさんの続報、非常に気になります。

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