携帯の液晶画面とかタッチパネルの保護フィルムが上手く貼れない。
新しく買ったXperiaも、ちょっと前買ったウォークマンも、
ポツ
っとホコリが、気泡が。
貼るとき、ムキーってなる。結果を見て、ムッキィィィィーってなる。
そして悲しくなって泣いて道を歩いていたある日。
その紳士は、
「お風呂でやればよいのじゃよ」
と教えてくれた。
ほほう。なるほど。
さっそくやってみよう。
まず、お風呂のドアを開ける。開けないと始まらないからね。
排水口がカビている。これはいかん。カビの胞子が気泡の原因となるやもしれぬ。
排水口の毛やら、わけのわからない汚いものを掃除してカビキラーをかける。
ふう。
終わると風呂場内はなんだか蒸している。塩素臭いし。
窓を開けて換気する。
さて、そろそろ保護フィルム貼りに移るか、と思って見ると、
風呂桶の水はどうやら昨日から換えていないな。しょうがないな、かみさん。
栓を抜く。
ついでだからバスマジックリンをかけてスポンジで丹念に掃除する。
風呂桶の汚れがホコリとなって保護フィルムに付着するやもしれぬからね。
綺麗になったのでお湯を張る。
さてと。ようやく本題の保護フィルムに戻れる。
風呂場の空中にシャワーを放って空気中のホコリを除去、、、
したいところだが、あいにくお湯は風呂桶を満たすために使われているのでシャワーは今使えない。
しかたがないので居間に戻って、湯船がいっぱいになるまでビールを飲むことにする。
テレビをつけると丁度良い頃合でそれゆけアンパンマンが始まる。
暇なので見ることにする。
カバオむかつく、メロンパンナちゃん使えねえなどと愚痴をたれていると眠くなる。
寝た。
目が覚めると外は真っ暗になっている。
お風呂が溢れている。
ああ、水を無駄にしてしてまった。エコロジーなみなさん申し訳ない。地球ゴメン。
と、申し訳ない気持ちになっている場合ではない。保護フィルムだ。
さっそうと購入した保護フィルムおよびXperiaを取り出す。
いや、待て。
風呂場でやるにしても、着衣のホコリが付着するではないか。
裸になることにする。
素っ裸で左手に保護フィルム、右手にXperiaを持ち、颯爽と風呂場に乗り込む。
これでようやく保護フィルム貼りができる。
思えば長い道のりであった。
画面の表面を乾いた布でふき取りつるつるピカピカを確認する。
そのとき視線を伸び放題の前髪が邪魔する。
あ、
髪の毛にホコリがついているのではないか。フケもあるだろうし。
いかんいかん。ここは洗髪をせねば。
保護フィルムとXperiaは一旦避難させ、髪を洗うことにする。
終わった。
さて、裸でとりかかろうとしていたため少しく寒い。
湯船に浸かることにする。ぶるぶる震える手では上手くいかぬからね。
さて、
あったまった。
下半身に目が行き、ふと思う。
下の毛だってホコリが付着しているだろう。古い皮膚も危険だ。
全身を洗うことにする。洗い終わるといつもの習慣としてもう一度湯船に浸かる。
さあ、風呂に入った。喉が乾いた。
喉が乾いた状態でぶるぶる震える手では保護フィルムが上手くいかぬようなのでビールを飲むことにする。
飲んだ。うめえ。やっぱ風呂あがりのビールは格別だ。
寝た。
起きると朝になっていた。
一晩たっても保護フィルムは貼られていない。ああ、俺は無能だ。保護フィルムも一人前に貼れない人間のクズだ。
悲しくなる。
まぎらわすためにビールを飲んだ。
いつまでたっても保護フィルムが貼れない。
悲しくなる。
ビールを飲む。
いいかげんにしろ。
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